安楽死を希望する筋萎縮性側索硬化症(ALS)の女性患者に致死薬を与えた40代男性医師二人に逮捕状が出されていることがわかった。女性と医師二人はSNSを通して知り合ったとされている。この事件を受け安楽死の是非についての議論が過熱している。
安楽死を希望するALS患者を『殺害』医師二人を逮捕へ。金銭授受も?
ALSの女性からSNSを通して安楽死の『依頼』があったとの内容が報じられている。
安楽死を希望する筋萎縮性側索硬化症(ALS)の女性患者に致死薬を与えて殺害したとして、京都府警が嘱託殺人の疑いで、宮城県と東京都の40代男性医師2人の逮捕状を取ったことが23日、捜査関係者への取材で分かった。 捜査関係者によると、2人は昨年11月、京都市内にある女性の自宅マンションで、女性の承諾を得て鎮静薬を投薬し、殺害した疑いが持たれている。 ALSは全身の筋肉が徐々に萎縮し、体が動かせなくなる難病。女性はALSが進行し、話すことはできるが体はほとんど動かせない状態だった。安楽死を希望していたとみられる。2人は金銭目的で請け負った可能性があるという。
出展元:共同通信
安楽死については他国では認められているケースもあり、国内でも議論が続いている。当然賛否両論あるシビアな内容である。
だが今回の件、上記記事にあるように『金銭目的』というのが事実であれば話は別。
安楽死が認められており、正式な手順で金銭を受け取るのであれば当然問題ないだろう。
また、安楽死が認められていない現状の中でも、ALS患者側から懇願され、それに『金銭なし』で応じたということであれば、大きなリスクを犯し行動した医師には賛辞もあるのではないだろうか。
どんな状況になっても生き抜くことが正しいことなのだろうか。
自分もつらいだろうし、家族や周りの人も見ているだけでもつらいのではないだろうか。
本人希望の安楽死が殺人になるなんて・・・・
【スクープ】難病ALS女性を安楽死 医師2人を逮捕へ、嘱託殺人容疑 京都府警(京都新聞)
— 癒されちゃう(^^♪ (@yu_t9rszd92) July 23, 2020
ALSは段々と体の自由が奪われていく病気で、徐々に体がむしばまれていく恐怖は健常者には理解できない部分があるのだろう。今回の件についてネット上では議論が交わされている。
ALS患者への『安楽死』適用。賛成派の声。
ALS患者の『安楽死』賛成派の意見がコチラ。
看護学生時代に神経内科の講義を受けてALSを患う患者さんの壮絶な過程を知りました。自分がもしそうだったら?怖くて、きっと同じように医師にお願いしたかもしれない。意志を伝えられず、身体の自由が緩やかに奪われ閉じ込め状態に至る。もっと尊厳死について議論していくべきだと思います。#医師逮捕
— nine (@injection_ake) July 23, 2020
https://twitter.com/happymomotan15/status/1286129379815219200
https://twitter.com/yasubo_chan/status/1286127002987057152
ALSの患者さんの苦しみなんて関わった人にしかわかんないよ。先生たちの勇気ある行動に敬意を表します。私も、こんな個人を尊重してくださる先生たちに看取られたい。 https://t.co/ForXtq97c8
— まつもとんとん (@mkKPHyUms3rhJbU) July 23, 2020
本人の意思だったのに「殺人罪」 で医師逮捕?医師たちも患者から本気でお願いされたら我慢できないよな。人間だもん。医師たちにとって患者さんが少しでもよくなれる最後の治療だったのではないかなあ。医師達はこれで通り魔と同じ罪にされる。マジでおかしい。https://t.co/pW9d1AkRYc
— トップオブディセンド (@jp_Topofdescent) July 23, 2020
確かに『殺人罪』の適用は…と思ってしまう部分もある。また、『安楽死』というよりも『尊厳死』という捉え方もありそこはイコールではないように感じる。では、反対派の意見はどうか。
ALS患者への『安楽死』適用。反対派の声。
少なからず反対派もいるようだ。
【ALS女性を安楽死か医師逮捕へ】
今回の件は女性から医師に頼んだことだから、
他殺じゃない。
尊厳死は殺人になるのだろうか。
まあでも担当医が殺ったならまだわかるけど、
部外者がやるのはよくない気がする。— tnt command2 (@Command2Tnt) July 23, 2020
とは言え法整備が進んでない以上、たとえ医師でも命を奪う行為は許されない。あれから30年も経ったが、社会の中でコンセンサスを得る努力をしてこなかった日本医師会の罪も重い。さらに金銭の授受があったとの情報もあり、その辺もどうなのか。 #ALS #嘱託殺人 #安楽死 https://t.co/38Qq3Op6zQ
— JACKPOT (@HUSSONET) July 23, 2020
現時点で反対意見は極端に少なかった。また上記の内容反対意見として紹介さしているが、『条件付き』の反対意見であるように思う。
今回の件、女性は以前から周囲に安楽死への希望を口にしていたという報道もある。
同時に二人の意思の名前も判明しているようだ。
2人医師の名前が判明。女性は周囲に『安楽死したい』と語っていた。
2人の医師の名前が判明している。また女性の声も掲載されている。
逮捕されたのは、いずれも医師で宮城県名取市で開業している大久保愉一容疑者(42)と東京 港区に住む山本直樹容疑者(43)の2人です。
捜査関係者によりますと、去年11月、全身の筋肉が徐々に動かなくなる難病、ALS=筋萎縮性側索硬化症を患った51歳の女性が、京都市の自宅で容体が急変し、搬送先の病院で死亡しました。
病院で詳しく調べた結果、体内からふだん服用していない薬物が見つかったということです。
女性は周囲に「安楽死させてほしい」と話していて、警察が捜査を進めた結果、当日、自宅に、主治医ではない大久保医師と山本医師が訪れていたことが防犯カメラの映像などから分かったということです。
警察は2人が女性の依頼を受け、自宅で薬物を投与し殺害した疑いがあるとして、23日嘱託殺人の疑いで逮捕し、これまでの関わりやいきさつなどを調べることにしています。
医師が患者の死期を早める行為をめぐっては、末期がんなどの患者に薬物を投与し、有罪となったケースはありましたが、死期が迫っていない難病の患者の依頼に基づいて主治医でない医師が殺害したとして逮捕されるのは極めて異例です。
出展元:NHK
改めてなんとも悲しい事件。何が悪であるかを決めるのが法律であるはずです。だが、今回の件はどう判断したら良いのかわからない方も多いのではないでしょうか。
『尊厳死』の議論が進むことを切に願っております。
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